ラインスキャンカメラの構成
ラインスキャンカメラは主にCCDイメージングセンサ素子又はCMOSイメージング素子とレンズドライバ-・コントロール回路によって構成されています。 対象物の映像をレンズによって素子面に結像させて、光の量をビデオ信号に変換して出力させるものです。

ラインスキャンカメラの動作原理
CCDリニアセンサは1列に並んだフォトダイオードアレイにあたった光を電気信号に変換しその蓄積量を読み出すものです。フォトダイオードに光があたると+・-の電荷が時間とともに蓄積され(露光時間)、外部より並列転送パルスがONの状態になるとCCDアナログレジスタ-に一括転送されてビデオ信号として出力されます。
ビデオ信号は時系列パルスとして取り出されますが、移動体に対して斜めに走査しているのではなく一定ピッチ毎に平均した積分値が出力されます。CMOSリニアセンサは光があたって電荷が蓄積されることは同じですが、単位セル内増幅器(セルアンプ)を持っていてフォトダイオード電圧を直接増幅できるのでノイズが入りにくく、又、低消費電力で高速性を持たすことができます。

ラインセンサカメラの特徴
ラインセンサカメラとエリアセンサカメラを比較すると、次のような特徴が得られます。
○高分解能
例えば、測定視野が100mmの時、エリア512画素、ライン7500画素の場合、
単純分解能
エリアセンサカメラ 100/512=195μ/画素
ラインセンサカメラ 100/7500=13μ/画素
ラインセンサカメラの分解能のほうが、15倍(二次元化すれば102倍)高いことがわかります。
○連続処理
シート状の欠陥検査のように、連続して流れている対象物を検査する時、エリアセンサでは同期がとりにくいですが、ラインセンサでは1スキャン毎にビデオ出力されるため、連続的な処理が容易にできます。
ラインスキャンカメラの選び方
対象物の幅方向(X軸)分解能は画素数と測定視野から計算できます。
例えば対象物の幅が100mmのもので対象物姿勢を含め視野が110mmとした場合、画素数2048画素を使用しようとすれば110/2048=0.05mm/bitの分解能となります。但し0.05/bitを測定精度としては扱えません。対象物のエッヂ付近のバラツキを考慮して単純分解能の5倍で0.25mm/bitの画像データであれば精度とし
て使用できます。
駆動クロック(MHz) | |||||||
20〜 | 40〜 | 80〜 | 120〜 | 160〜 | 320以上 | ||
画素数 | 16k | XCM16K80SAT8 XCM16K04GT4CXP | |||||
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8k | XCM8040SAT2 | XCM8060SAT2 | XCM8040SAT4 XCM8040SA XCM8060SA XCM80160CXP |
XCM8040SAT8 XCM8085DLMT8 XCM80160T2CXP |
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7k | SUi7440 | SUi7450T2 | |||||
5k | XCM6040SAT2 XCM60125GIG XCM3C6080T3 | XCM6060SAT2 | XCM6040SAT4 XCM6040SA XCM6060SAT4 XCM60160CXP |
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4k | XCM4040SAT2 XCM40125GIG XCM3C4080T3 | XCM4040SAT4 XCM4040DLMT4 XCM40160CXP |
XCM4085DLMT4 XCM4085TLCT6 |
||||
2k | SU2020 SU2025 SU2025GIG SUCL2025T3 SUCL2025GIG |
XCM2040DLCT3 XCM2740MLCT3 |
XCM2040SAT2 XCM2040DLMT2 XCM20125GIG |
XCM2040SAT4 XCM2085DLMT2 XCM20160T2CXP |
XCM2080SAT4 | ||
1k | XCM1040DLCT3 | XCM1080SAT2 | XCM1040SAT4 | XCM1080SAT4 |
●CameraLink B/W ●CameraLink COLOR ●GigE B/W ●GigE COLOR ●CXP B/W
対象物移動方向(Y軸)分解能は対象物の移動速度とカメラの最短スキャン周期に依存します。
例えば対象物を如何に細かくデータを取っていくかを計算します。移動速度が100m/minで移動のものを40MHzの2048画素のカメラで取り込むと、移動速度で0.00166mm/μsecです。カメラの1スキャンあたりの速度で52μsecすると、0.086mm毎のビデオ信号の出力が可能となります。但し0.086mmを移動方向の測定精度しては扱えません。
1スキャン分のデータではビデオ信号の立上り立下りがしっかりとはしておらず、最低3スキャン分を一つのデータとして扱い0.258mmを精度として使用できます。
